不動産仕入れはどうやる?成果を上げる5つのコツを解説

2020年11月13日

不動産ビジネスでは仕入れが最も難しい業務とされる。

不動産は生鮮食品のように卸売市場で買えるものではないし、工場で次々と生産されるものでもない。
不動産は、お金を出せばいつでも欲しいものを仕入れることができるというわけではないので、不動産仕入れは難しい業務といえるのだ。

では、不動産仕入れで成果をあげるには何をすべきなのか。

この記事では、「不動産仕入れのコツ」について具体例とともに5つほど解説していきたい。
今現在、不動産仕入れに従事している方にも、そうでない方にもタメになる内容となっているので、ぜひ日々の業務に生かしていただきたい。

不動産仕入れの重要性

 

不動産業では仲介や代理、販売を行うが、これらのビジネスは全て不動産の仕入れが起点となっている。

分譲マンションや戸建て開発等の販売を行うのであれば、開発素地となる土地を仕入れなければならない。また、仲介や代理においても、売り物件の仕入れが必要となる。

仲介に関しては客付け側の仲介もできるため、理屈上は売り物件を仕入れなくても仲介ビジネスはできる。ただし、客付け仲介は、元付け業者に客付けを断られてしまえば仲介ができない
元付け業者であれば、仮に客付け業者が買主を見つけてきたとしても、少なくとも売主側から片手の仲介手数料は得ることができるため、仲介手数料を取り損なうことはない。

また、売り物件を抑えている元付け業者なら、自ら買主を見つければ両手仲介もできる。
客付けだけをやっている業者には両手仲介はできないため、売り物件を仕入れられない不動産会社は収益も低くなる

不動産仲介で高収益を得るには、売り物件の情報を仕入れ、元付け業者になることが重要なのだ。

不動産仕入れが重要であるのは間違いない事実だが、実際のところ難しい
不動産仕入れが難しい理由として以下の2点が挙げられる。

【不動産仕入れが難しい理由】

・好きな時に買えない
・安く買うことが難しい

 

1つ目として、不動産には生鮮食品のような卸売市場というのが存在しないため、いつでも好きなときに買えないという性質がある。

売り物件や開発素地の話は突然現れることも多いし、仕入れのネタが全くないときもある。
生鮮食品の仕入れのように定期的に一定量を購入できるわけではなく、不動産の仕入れは時期も量も不安定となることが特徴だ。

2つ目としては、不動産の仕入れは安く買うことが難しいという特徴がある。

不動産に限らず、仕入れは安く仕入れることが鉄則だ。製造業であれば、できるだけ安い資材を海外から輸入したり、代替品の材料を仕入れたりすることで仕入れコストを安くできる。

ところが、土地のような不動産は工業生産品ではないため、他の安い代替品を買うことはできない。しかも、良い物件は他社と競合することも多いため、仕入れ価格も上昇して割高になってしまうことが多い。

このように不動産の仕入れは簡単ではないが、重要な業務であるため地道に取り組んでいくことが必要となってくる。

不動産仕入れで成果を上げる5つのコツ

ここからは、不動産仕入れで成果を上げるコツについて解説していく。

1.狙いを定める

仕入れを成功させるコツは、まずは狙いを定めることが重要である。
やたらな物件にアプローチをするのではなく、動きがありそうな物件に少しでも狙いを定め、
所有者にコンタクトをとっていくことが成功確率を上げるコツとなる。

例えば、今後動きがありそうな物件としては、以下のようなものがある。

・駐車場
・空き家
・新築マンション

 

1つ目は、やはり駐車場だ。

駐車場は収益性の低い土地活用であるため、所有者は土地を今後どうしていくべきか思案しているサインと捉えても間違いない。土地を収益性の低いままとしている理由は、「良い活用方法がない」「活用する資金がない」「売りたいが買い手が見つからない」といったことが考えられる。
何らかの悩みを抱えている可能性があるため、適切なアプローチをすれば動かせる可能性がある。

 

2つ目としては、空き家がある。

空き家所有者は、売りたいけれども「倉庫として利用している」または「取壊し費用がない」、「片付けられない」、「買手が見つからない」等の理由により売却に踏み切れないことが多い。

営業担当者の中には、片付けを手伝うことで空き家を売り物件に仕立てている人もいる。空き家はすぐに売れないことも多いが、所有者の悩みを解決すると相対取引で仕入れられるケースもある。

 

3つ目としては、新築マンションがある。

新築マンションは、購入後、「住宅ローンがきつかった」等の理由ですぐに売りに出す人が一定数存在する
そのため、新築マンションに集中的にポスティングをすることで、売り物件を掘り起こせることがある。買ったばかりだから売るわけがないと考えがちであるが、買ったばかりだからこそ売りに出す人も多い

このように、不動産の中には「動く予兆」がある物件がいくつか存在する。
まずは狙いを定め、物件の掘り起こしの戦略を立てることが成果を上げるために重要なポイントとなる。

2.謄本から読み取る


狙いを定めた後は、謄本を取得して所有者にアプローチを行う。
謄本から読み取るべきことは、所有者の状況だ。

例えば登記簿謄本を見て、以下のような物件だと売却の可能性はある。

【売却可能性のある物件】

・相続で共有状態となっている
・短期間に転々と所有者が変わっている

 

相続で共有状態となっている物件は、分割で揉めている可能性がある。現金化しないと平等に分割できないため、売却の打診がしやすい。
特に、相続直後の物件は売却の可能性が高いめ、相続が生じた時期もしっかりと確認すべきポイントである。

また、アパートのような収益物件で所有者が短期間に転々としているケースも売却可能性が高い。
物件に何らかの問題がある場合や、所有者が短期間で売却する戦略を持っている可能性があるため、投資家の間を転がっているような物件は売却物件に仕立てやすいといえる。

3.常に複数の案件を仕込んでおく

不動産仕入れの業務で大切なことは、常に複数の案件を仕込んでおくことである。
仕込んだ物件は、いつ花が咲くかわからないため、できるだけ多くの物件を耕しておくことが望ましい。

また、1つの案件を深追いし過ぎないこともポイントだ。
仕込み案件は、広く浅く開拓しておくことが重要であり、それぞれ将来の楽しみ程度に捉えておいた方がいいだろう。

4.プロにも営業する

不動産の仕入れは、不動産会社や税理士、銀行、ハウスメーカー等のプロにも営業することがコツだ。

いきなり所有者にあたるのも悪くはないが、プロの方が保有している情報量が多いため、物件を仕入れられる確率も高くなる。ただし、プロといえどもすぐに情報が出てくるわけではない。

また、プロ間の営業は他社も行っているため、簡単に情報を提供してくれることがないのが実態だ。
そのため、プロへの営業に関しては普段から情報交換を行える関係性を構築し、地道に人脈を築き上げておくことが情報を仕入れられるコツとなる。

5.ローラー営業は一回で諦めない

所有者に直接アプローチするローラー営業は、一回で諦めないことがコツである。
所有者のところにいきなり訪れて、「お宅の物件を売って下さい」といってすぐに売ってもらえる世界ではない。

まずは実際に所有者に会って名刺だけでも置いて帰れば十分である。
最初の反応が悪かったからといって、売却に繋がらないとは限らない。

何らかの悩みを抱えている物件を持っている人であれば、何回か会えば相談したくなるものだ。
信頼関係を築き上げていけば、そのうち、先方から相談が出てくるかもしれないので、一回で諦めずに何度もアプローチして欲しい。

まとめ

以上、不動産仕入れのコツについて解説してきた。
不動産仕入れは、不動産ビジネスの起点となり、安定的な経営を可能とするものであるため、とても重要な仕事となっている。

不動産仕入れで成果を上げるコツとしては、以下の5つがある。

  • 狙いを定める
  • 謄本から読み取る
  • 常に複数の案件を仕込んでおく
  • プロにも営業する
  • ローラー営業は一回で諦めない

改めて物件所有者へのアプローチを見直して頂き、今後の不動産仕入れに役立てば幸いである。

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