企業の目標達成に必要な要素は複数あるかと思いますが、本記事では営業の現場でよく耳にする「KPI」について記載しています。
KPIは会社や事業の規模感に関わらず、企業が目標を達成するために必要な考え方・要素になりますので、是非お役立て頂ければと思います。
KPIとは?
KPI= Key Performance Indicator「重要業績評価指標」
ある事業体が、成果・成績を伸ばそうと考え目標を設定したとき、その目標達成に必要なプロセスはできるだけ可視化・具体化されている必要があります。
例えば、不動産売買仲介の担当部署が、中古マンションの仕入れ件数を月に30%増やしたいという目標を立てたとき、不動産一括査定サイト経由の査定依頼件数を30%増量させたり、チラシを撒く枚数を30%増量させる、営業マンの飛び込み件数を週に30%増やすなどの施策が考えられます。
このように、目標を達成するための具体的なプロセスと日程を決めることを「KPIを設定する」と表現します。KPIはあらゆる事業の領域で用いられる概念であり、組織が確実に目標を達成するために最も基礎的で土台となる数値です。
不動産会社でのKPI
不動産業界でも日次、週次、月次で営業マンの行動量を管理している会社は多いと思います。
電話回数、チラシ配布枚数、飛び込み件数、訪問営業回数、成約率、手数料単価などをKPIに設定しているのではないでしょうか。あるいは、広告やサイト運営のご担当者様であれば新規お問い合せ件数や資料請求数をKPIとして設定されていることでしょう。
その数値を営業管理者の方や、店長、営業部長が管理監督することにより、毎月の目標に近づいていくことが多いと思います。
企業の取り組みや理念により、KPIは異なると思いますが「何も設定していない!」という企業のご責任者様は、勘や外部要因に左右された不安定な数字を毎月見てはいないでしょうか。
是非この機会に求めるKPIを作成してみてはいかがでしょう。
KPIを作成するメリット
企業がKPIを用いて日々の業務あたることの最大のメリットは、「具体的な方向性」を全員で共有できることです。
行動目標とその日程が定量的に語られることになり、進捗の把握や結果へのフィードバック、その評価を適正且つ公正に行うことができます。営業成績の芳しくなかった従業員に対して、気合と根性論を語るだけではなく、具体的な是正箇所を指摘できます。
結果として指示を出す者と出される者との共通認識も構築されるため、全体の成果に寄与しやすくなる環境が生まれることでしょう。
KPI設定のポイント!
KPIの設定は、現実的な数値でなければなりません。「具体的な方向性」は共有でき、定量的に語られるべき数値を用います。
実現可能なラインを導きだすために、現在の組織の能力や是正ポイントを分析し、大目標である売上UPに近づくための工程表を作るのです。
あまりにも非論理的な数値を用いた場合、従業員からの理解を得られず、理想が先走り、モチベーションだけが下がる、という自体に直結してしまいます。
もちろん大きな目標を掲げるのは大切なことですが、あくまでも自社をよく分析したKPIを設定するように心掛けましょう。
SMARTの活用
企業がKPIを作成する際の言葉に「SMART」というものがあります。KPI設定に複雑な要素を一定コンパクトにまとめる考え方です。
〇明確性
担当部署やチームメンバーが目標を達成するための大切な指標です。同じ理解をすることが重要となり、人により解釈が異なることのないように明確な指標にしましょう。
〇計量性
定量的に語れる数値をKPIに用いましょう。また、定量的である以上、ある地点での数値との比較や、どのよう推移しているかの分析も定期的に行いましょう。
〇現実性
よほどのロイヤリティがない限り、非現実的なKPIは従業員のモチベーションを下げ、業務への情熱を冷ましてしまいます。現在の組織が実現可能なレベルでKPIを設定しましょう。
〇合意可能性
合理的な判断で下されたKPIがすなわち正解ではありません。現場担当者や実務担当者へのヒアリングを行い、経営陣が判断したKPIに無理が無いか多少の話し合いは必要です。相互理解が生まれれば、そのKPIは目標達成に向けた強力な推進剤になるでしょう。
〇結果思考・関連性
企業の持つKPIはひとつではありません。複数存在するKPIの上下関係や関連性を見ましょう。大目標(結果)を達成するためにそれぞれのKPI(要素)がうまく連動しなければなりません。あるKPIが達成できない場合、その下層にある要素を見つめて下さい。チラシ枚数⇒反響数⇒アポイント数⇒契約数⇒手数料単価など、要素の順位を鑑み、結果を導きます。
〇適時性
期限のないKPI設定は仕事に繋がりません。評価の間隔を適正にとり、従業員のモチベーションを維持しながら適宜是正を行いましょう。
最後に
広告の担当者様や不動産査定サイトの運用に携わる方は、自社HPへの流入数を増やし、求めるCV数の増大や、
査定サイト運営側からより多くの本数を受け取る施策を打ち、毎月の目標を達成するために努力されているかと思います。
・サイト訪問者数を増やす
・CVRの改善
・手数料単価の増大
・資料請求数
・査定依頼数の増大
目指している指標は企業ごとに違うかと思いますが、まずは自社の分析をよく行い、現場担当者の方や営業実務者の方とも相互理解を深め、論理的で適正なKPIを設定を行い、全体の利益にどの程度の働きが必要か検証してみてはいかがでしょうか。