「電話がつながらない」
「訪問査定ができない」
「机上査定で良いと言われた」
不動産一括査定サイトを利用している不動産会社の担当者ならば一度はこう思ったことがあるだろう。
ユーザー側は無料で査定依頼ができるので、サービスの性質上、一定数はいたずらのような箸にも棒にも掛からない反響が飛んでくる。
しかしこのような反響はあくまで全体の一部である。
あなたは、電話がつながらない、訪問査定ができない=ダメな反響だと思っていないだろうか?それは全くの誤解である。
正しい見込み客情報であるのに電話がつながらなかったり、訪問査定をとれないのは反響直後の初期対応に問題があるケースが多い。
そこで今回は、不動産一括査定サイトの反響から訪問査定を獲得するための電話テクニックについてまとめた。
「反響への初期対応の仕方がわからない」「電話で何を話したらいいかわからない」「いつも机上査定で終わってしまう」という不動産会社の担当者にはぜひ読んで実践していただきたい。
反響が来てから3分以内
【記事】不動産一括査定サイトで成功する会社と失敗する会社の記事でも触れたが、初期対応の速さは一括査定で成果の可否を分ける重要なポイントである。
不動産一括査定サイトは、必ずと言っていいほど競合企業が存在するサービスである。一方で、査定依頼者は1社目、あわよくば2社目以外の話は聞こうとはしない。
なぜならば、ユーザーは複数社の査定額を知りたいとは思っているが、複数社と会ってまで話したいとは思っていないからである。
だからこそ、会える約束をできるのは1社目、あわよくば2社目で、それ以外は机上査定で結構ですとなってしまうのだ。
それでは、反響が来てから何分以内に電話をすべきなのか。
競合状況にもよるが、最低でも3分以内、
競合ひしめく人気エリアの場合は1分以内に電話できなかったら、ユーザーとは話せないと思った方がいい。
最初の電話で唯一すべきこと
反響が来てから最初の電話ですべきことはたった一つである。
自社の丁寧な紹介?
査定額の掲示?
どちらも一回目の電話で話す必要はない。最初の電話ですべきことは、
アポイントの獲得
のみである。
自社の丁寧な紹介や査定額の掲示が悪いわけではないが、最初の電話ですべきではない。
なぜならば、査定依頼者は不動産会社が思っている何倍も非協力的だからだ。
知らない会社からいきなり電話がかかってきて、ベラベラと会社の紹介をされた依頼者はうっとうしいと感じてしまう。これは、不動産一括査定に関わらず、企業からの営業電話には共通して言えることだろう。
また、最初の電話で査定額を掲示してしまうのも最悪だ。(曖昧でしか伝えられないと思うが)
この段階において、査定依頼者のニーズは“査定価格を知ること”であることは間違いない。その価格を最初に伝えてしまったら、依頼者にとって不動産会社は用済みとなり、会う必要がなくなってしまうのだ。
最初の電話では、アポイントを獲得することだけに集中してほしい。そのためには超端的に話すことが重要だ。
次の章でトーク例を紹介する。
初期対応の電話トーク例
ここでは実際に、初期対応での電話トーク例を紹介する。
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「この度は不動産査定サイト○○からお問い合わせ頂きありがとうございます。
私は○○加盟店、○○会社の○○と申します。
ご所有不動産を高く売るため、直接お目にかかってご提案させていただいておりますが、
次の土曜日の午前中と午後からでは、どちらのご都合がよろしいですか?」
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ポイント① サイト名を必ず告げる。
よくサイト名を名乗らず、自社名だけ名乗る不動産会社がいるがこれはNGである。
なぜなら、ユーザーはサイトに問い合わせた意識はあっても、不動産会社の名前は全く意識していないからだ。だからこそ社名を名乗ってもユーザー側はイマイチピンとこない。
ポイント② “高く売る”を強調する
【記事】「物件を売る気はない」で諦めていませんか?にも記載したが、売主には会うメリットを与えないと会おうという気にはなってくれない。
この人と会えば、いいことがあると感じさせる必要がある。ここで強調すべき売主側のメリットは“売ることにより、儲かる”ことである。
ポイント③ 日程は選択制で尋ねる
営業の基本ではあるが、いつがいいですか?ではなく、AかBという選択肢をあたえ、選ばせることが重要だ。
ポイント④ 一気に話す
超端的な上の文章を一気に話しきることが重要だ。あくまで理想だが一息で話しきることが望ましい。これができれば、査定依頼者が気づいたころには日程選択を迫られていて、断りにくい状況になっているからだ。
最後に
今回は、不動産一括査定サイトの初期対応における電話テクニックについてまとめた。
不動産一括査定は、従量課金制のサービスということもあり、一件一件の反響に対して丁寧に対応したいという気持ちもわかるが、それは訪問したときにすれば良い。初期対応の電話では
「すぐかけて、すぐアポイントをとる」
この二つだけに集中してほしい。アポイントさえ取れれば、競合からだいぶリードを奪ったことになる。
訪問査定での営業テクニックは、また別の記事にまとめようと思う。